家の近くに遊歩道がある。11月末になると桜並木の葉は、ほとんど葉を落とし、幹だけになり、その隙間から青空が広がって見える。そんな道すがら様々な人が往来する。
リモコンで運転できる小さな車に1才半くらいの男のが乗っている。楽しそうな笑顔。操作しているのは若い父親。私が「良いのに乗っていますね」と声をかけると、子どもよりさらに良い笑顔を返してくれる。
そうかと思うとジョギングをしている人、買い物帰りの自転車に乗っているお母さん。近くのセンターの趣味の講座の参加者。体操帰りの高齢者。お仲間といっしょにおしゃべりしながら通りすぎる。手には講座に必要なものを入れるトートバックやリュックを背に。履物はスニーカー。みんな元気。
私は手押車でゆっくりゆっくり歩いている。すると熟年の男性が「いくつだね。自分は92才」と声をかけてくる。私は「ずっと下」と返事をする。
この遊歩道を歩く人と都会の真ん中を忘れ、静かな地方のような雰囲気にひたれる。みんな元気、元気。
私はこの道を通るのが好きだ。皆から笑顔や元気をもらえるから。みなに感謝、ありがとう。
(目黒区/H・O)